写真展「壊死する風景」

新宿ゴールデン街のバー「十月」にて写真展を開催します。2023年の展覧会「壊死するフウケイ」を、ゴールデン街のバーという非日常的な空間にあわせ、再構成し展示致します。今回ご縁がありまして、初めてのゴールデン街での写真展です。

→ BAR 十月

下総の牧の広野の暁の、空をばいそぐいそぐ水鳥

ー水野葉舟「滴歴」より

昭和の激動期に建設された、成田国際空港。政治的問題を抱えながらも、40年以上日本の玄関口としての役割を果たしてきた。現在、成田空港では新しい滑走路の建設が進んでいる。約1000haの建設用地(現在の空港敷地は1198ha)が買収される事で、空港の南東に広がる古くからの里山や明治以来の開墾地が失われてしまうのだ。私は典型的な里山風景という表象をこの地に求め、失われる農村を撮影しようと試みた。しかし時すでに遅く、過疎化により、集落としての共同体は崩壊しかけ、農地は荒廃していた。聞くところによると、集落の殆どが空港拡張に賛成だと言う。私は空港拡張に反対する立場ではないが、環境保護が叫ばれている昨今、更に自然に手を加え、大規模な人工物を建造するという事に関しては、一考の余地があるだろう。この風景たちは現代の縮図であり、状況の一部なのだと思う。

出典

水野葉舟著 歌集「滴歴」草木屋出版部, 1940
のら社同人, 北井一夫他箸「壊死する風景―三里塚農民の生とことば」のら社, 1970

水野葉舟 ー 1883-1947 明治ー昭和時代の歌人、詩人、小説家。トルストイや高村光太郎の影響により、大正13年から三里塚駒井野で半農生活に入った。
のら社 ー 写真家北井一夫が主宰する出版社。北井一夫「三里塚」、木村伊兵衛「パリ」などを出版。


会期:2024年3月16日(土) - 3月30日(土)
会場:BAR 十月
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 G2通り 2F
営業時間:日曜日・水曜日・祝日休業 午後5時 - 午後11時

BAR 十月
03-5272-1171
佐方晴登
h.sakata0116@gmail.com / https://sakataharuto.amebaownd.com / 090-6397-5487 

HARUTO SAKATA PHOTOGRAPHY

写真家 佐方晴登のウェブサイトです。 Website of photographer Haruto Sakata. I am a nonviolent person.

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